こんにちは
今回は、私の在籍する農学部の就職事情についてお話しします。
大学の学部選びで、まず考えるのが就職先だと思います。
卒業後自分はどんな仕事に就くのか?
これから学ぶ内容は社会でどのように活かされるのか?
どれも1度は考えることだと思います。
そして私の在籍する農学部では、「農」というワードから連想される「農家」になるのか?と質問されることが多々あります。
農学部について知りたい人、農学部を受験しようか悩んでいる受験生はこちらの記事から読むと、理解が深まると思います!

Contents
農学部の主な就職先
まずは農学部の専攻別で就職先を挙げてみます。(あくまで専攻で学んだ内容を直接的に活かせる就職先です)
農業工学系→土木会社、機械メーカー
農学系→肥料会社、種苗会社、公務員
農学部のメジャーな専攻を3つピックアップしてみました。
多くの人はこれらの企業、あるいはそれに近い分野で就職を目指します。
農学部がよく言われることですが、金融や小売業など、専攻と関わりの薄い、いわゆる文系の就職先に入る人も多いです。
また、同じ偏差値の大学と比べた時に、理学部や工学部に比べて大学院進学率が低い傾向にあります。
そして肝心の農家ですが、実家が農家で家業を継ぐというパターン以外はほとんど存在しません。
なぜ農学部は農家にならないのか?
農学部なのに農家にならないのはもはや常識過ぎて誰も疑っていないレベルです。
大学内でも就職の話をしていて、銀行やスーパーの名前が出ることはあっても農家になるなんて話は出たことがありません。
ではなぜ農家にならないのか、農学部である私が考えてみました。
そもそも農業を勉強していない
これまでの大学での学びを振り返ってまず思ったのは農業についての勉強をほとんどしていないということです。
農薬や植物生理、農業機械など農業を発展させるような内容は学びます。
しかし、具体的な農薬の散布方法や機械の操作などは一切学びません。
これでは卒業しても農業をするような人材は出てこないでしょう。
もっとも、大学に来て農薬の散布方法や機械の操作を学ぶのは効率が悪すぎるので、勉強内容に加えるべきだとは全く思っていません。
やはり過酷な仕事
近年は農業の機械化も進み、自動化へとシフトしつつありますが、やはり農業は過酷な仕事です。
家庭菜園レベルならまだしも、何ヘクタールもある農場のダイコンを未だに素手で収穫しているようでは話になりません。
不確実性が大きい
先日も豪雨がありましたが、農業は現在主流の露地栽培(普通の畑)やビニールハウス程度では自然の影響をモロに受けてしまいます。
雨が続いて浸水してしまったら全てパー、日照りが続いて枯れてしまってもパー、台風で茎が折れてもパー。
現在の農業は、収穫物を売って初めて利益になるのが基本なので、収穫する前にいくら損害が出ても誰も助けてくれません。
自分の生活の柱にするにはリスクが高すぎるのです。
農家になる=起業
どうすれば農家になってくれる?
では、どうすれば農家になってくれるのでしょうか。
ここは、私がどんな条件なら農家になるかという点で考えました。
儲かる
やはり農業がビジネスとして儲からなければしたいとは思えません。
自分個人が儲かるというよりは農業自体の話ですが、自分の人生の4分の1くらいは仕事になると思うので、そういった大事な部分を将来性の乏しいエリアで終わらせようとはなりません。
会社として組織されている
農地にしても農業機械にしても農業を1から始めるにはお金がかかります。
普通に起業するより難易度が高いかもしれません。
会社として組織されて、ビジネスとしての流れが出来ていれば就職の選択肢も出てくると思います。
過酷ではない
農業をするとなるとどうしても現場が中心になります。
そうなると、オフィス勤務に比べて肉体的にもきつく、わざわざ大学を卒業して自分の体が資本の仕事をしたいとはなかなか思えません。
新卒で農家になる理由がない
現状では、農学部で学ぶ内容と、実際の農業現場で必要とされる能力が大きくことなるため、農学部生の中に農家になろうと思う人はなかなか居ません。
ただし、これが悪いことかと言われるとそうでもなく、農家になるために必要な諸々は農業大学校や、農業高校で習うことができます。
農学部は、現場がいかに効率的に快適に作業が出来るか、いかにおいしい作物を作れるかを研究していくことが目的ですから。

みんなが憧れる農家像を築いていってください!