計算力学技術者(熱流体)2級試験の勉強方法まとめ 勉強時間、難易度など解説します!

計算力学熱流体2級の 勉強方法まとめ! 勉強時間、難易度 CAE

皆さん、こんにちは!

私は先日、計算力学技術者(熱流体)2級試験に合格しました。

この記事では、合格に必要な勉強時間や、勉強方法など、「さあ、自分も受けてみよう!」という人に向けた内容となっています。

朱莉
記事の最後には、勉強に際に参考とした書籍をまとめているので参考にしてみてください。

計算力学技術者検定とは?

計算力学技術者認定試験は、日本機械学会が運営する資格試験です。

ざっくり言ってしまうと、「CAEソフトウェアを使うのはいいけど、ブラックボックスで使うのは良くない」ので、ちゃんと中身を理解しましょうね。という試験です。

そのため、計算力学で必要な数学から、各分野(固体力学、熱流体、振動)の基礎知識、実際に解析を行っていく過程での工程や考え方などを一通り学ぶことができます。

試験の詳細については下記の記事に譲ろうと思います。

試験の概要や、受験方法などもまとめていますので、ご確認ください!

祝合格☆ 計算力学検定 熱流体2級について 徹底解説!

計算力学技術者(熱流体)2級試験とは? 受験方法から難易度、試験範囲など解説します!

計算力学と力学の違い

”計算”力学とは何か考えたことはあるでしょうか。

力学と何が違うのか、整理しておかないと、計算力学を勉強する意味を理解できないと思いますので、まずはそこを整理しましょう。

「計算力学」とGoogleで検索を行うと、東洋大学のWebページがヒットしました。

そこから説明を引用させていただきます。

1.固体・構造力学

2.流体力学・流体工学;圧縮性・非圧縮性流れ

3.破壊力学

4.輸送現象、熱移動

5.力学における変分法

る解析的・数値解析的手法の提案、有限要素法・境界要素法・有限差分法などの離散化解析手法、計算力学を支援するための人工知能・並列計算などである。

東洋大学 計算力学とは?

いかがでしょうか?

計算力学は、力学を数値解析的に解いていく手法のことを指しています。

私の受けた、熱流体分野であれば、熱力学や流体力学をベースとしつつ、それを支えるテクノロジーである、有限体積法や並列計算手法、乱流モデルなど〇〇モデルと呼ばれる物理モデルたちが計算力学の中心となります。

乱流モデルを理解するためには、基本的な数学や熱力学、流体力学などが必要となるため、計算力学は各力学分野の応用科目のようなイメージで問題ないと思います。

この試験でも当然のように、数学+各力学+計算力学が求められるため、扱っている内容自体は高度です。
(試験が難しいかはまた別問題ですが)

合格率は?

先ほど紹介した記事と同じ内容ですが、熱流体分野2級の合格率をまとめました。

2005年から試験が開始されていますが、最近の合格率に着目するのが良いと思います。

資格試験としてのマーケットは決して大きくないですが、受験人数は2019年が286人と過去最多で、合格率は62%ほどでした。

2017年から以降は65%前後で推移しており、一般的な資格試験と同程度ですが、母集団が非常に限定されているのに注意が必要です。

そもそも受けようとする人は、大学(あるいは大学院)卒で、社会人の受験者が多くなっています。

そういった人々が試験を受けても、”それなりに勉強しないと落ちる”レベルの難易度が2級試験です。

計算力学検定_2級熱流体_合格率推移

※データ参照:https://www.jsme.or.jp/cee/data/info

難易度

理系4大卒以上で、CAEの経験者向け(さわりはじめでも可)

先ほど、大学生以上か社会人が受験しても、勉強しなければ落ちると言いましたが、その道で仕事をしている人であれば、試験の形式を把握できていれば合格は難しくないと思います。

逆に、CAE解析の経験が過去に一切ない状態で、試験を受けると勉強がなかなか進まない状況になると思います。(あまりいないとは思いますが)

この検定自体がマニアックですので、ネット上に情報がないのが少し不安材料です。

50~100時間ほど確保しておきたい

私の勉強時間を正確に把握していないのですが、100時間いかないくらいの勉強時間でしょうか。

そもそも業務でもシミュレーションをやっているので、業務時間も勉強と言えなくもないです。

人によってはもう少し時間を想定しておいた方が良いかもしれません。

朱莉
3か月毎日1時間くらいをコツコツすることを
心がけましょう!

勉強方法

次は実際の勉強方法です。

私の経験をもとに優先度順で並べました。

※講習会は費用がかなり掛かるので参加しませんでしたが、会社の方針などで受講できるのであれば、出ておくのがオススメです。試験の主催である機械学会が実施する講習会のため合格の最短ルートと言えます。

標準問題集

まずは標準問題集です。

試験勉強の5割以上は、この標準問題集に費やしました。

実際、標準問題集から出題される割合はかなり高いです。

問題集のとほぼ同じ内容も多く出題されるので、既に知識がある方も標準問題集だけは購入しておいた方が良いと思います。

ちなみに標準問題集は、機械学会でしか購入できませんので注意が必要です。
ほぼ毎年改訂版がでるので、機械学会のサイトでこまめにチェックしておきましょう。

インターネット

先ほど紹介した標準問題集は、試験には必ず必要なものなのですが、正直解説が不親切で、1冊で勉強を完結させることは難しいと思います。

私は、以下のようなフローで勉強をしていました。

  • 標準問題集で問題を解く
  • 標準問題集の解説を見る
  • 標準問題集の解説でわからなかった単語をネット検索
  • ネット検索で難しい場合、参考書籍(後ほど紹介)を使って調べる

あとは、こちらは転載と思われるので、載せませんが、「標準問題集にある用語+計算力学技術者」みたいに検索すると、後ほど紹介する講習会の資料と思われるものがヒットします。

ただ、最新の試験には対応していないので、使用するかは自己責任です。

CAEアプリケーション

標準問題集+ネット検索でかなりの部分をクリアできると思いますが、特にポスト処理などの部分は、テキストで勉強するのは、イメージがしずらく非常に勉強しにくいと思います。

その時に活用してほしいのが、CAE解析ソフトを使った検証です。

私はプライベートのパソコンにAnsys Studentをインストールし、家で計算を回したりしていました。

仕事でソフトウェアを使えるのであれば、なんでも良いです。

使える環境にない場合は、AnsysStudentがおすすめですが、まあ操作を覚えるのもハードなので、あまりオススメはできません…。

講習会に参加する

私は参加していませんが、機械学会が主催する講習会に参加するのも良いと思います。

試験日が12月ですが、例年8月ごろにアナウンスが出て、9月ごろに講習会があります。

標準問題集を中心に、試験で問われるポイントが解説されるそうですので、会社で費用を負担してもらえる場合などは参加を検討してみてください。

参考書籍

最後に、私が勉強で使った書籍をいくつか紹介して終わろうと思います。

熱流体分野

流体力学や熱力学の分野は、既に各分野の教科書が手元にある場合は、そちらで概ね問題ないと思います。

もし持っていない方は、機械学会が出版している教科書たちがおすすめです。

CAE分野

都市の風環境予測のためのCFDガイドブック

本試験では主に熱流体力学を扱っており、巻末部分ではありますが、乱流モデルやソルバー部分のスキームなど一通り網羅されておりおすすめです。

もちろん、1万円を超える流体解析の専門書に比べると大幅に簡略化して書かれていますが、試験で要求されているレベルをはるかに超えていますので、なかなか試験勉強とリンクさせるのは困難かと思います。

標準問題集より詳しくて、外観をつかむのには適切な量の解説です。

あとは、全面カラー刷りなので、コンター図やベクトル図など一般的なポスト処理の外観をつかむのに非常に役立ちます。

正直、類似の本がなく、建築分野向けの書籍とはいえ、長く使える1冊だと思います。

Pythonで学ぶ流体力学の数値計算法

Pythonに親しみがある方はこちらの書籍もおすすめです。

離散化手法を実装しながら進んでいくため、ソルバー部分の理解に役立つと思います。

ただ、試験対策としては、少し優先度は下がりますので、余裕のある方向けです。

まとめ

以上、私がやってきた、計算力学技術者(熱流体)2級試験の勉強方法でした。

試験対策は正直勉強を始めたタイミングのレベル感によって変わります。

私の紹介した試験対策はあくまで一例ですので、参考にして頂ければ嬉しいです!