皆さん、こんにちは!
今回は原正紀氏の「インタビューの教科書」を読んだので紹介していきます。
本書は「インタビューの教科書」という名の通りインタビューの作法が書かれています。
しかし、本書は私たちの日常会話に活用出来る部分が多数ありました。
全体を通じて「インタビュー」を「会話」と言い換えても差し支えないレベルで、インタビュアー以外の社会人におすすめです。
Contents
本書の概要
人生のいたるところにインタビューあり
原 正紀
本書では、「優れたインタビュアーへの道<インタビュアー進化論>」と題し、第1章から読み進めることで、初心者でも優れたインタビュアーへと進化できる道を示しています。
- 企画・アプローチ 編
- 事前の準備 編
- インタビュー本番 編
- インタビュー場面 編
- インタビュー後 編
- インタビューアーにとって大切な付加価値
日常的にインタビューを行うマスコミ関係の人はもちろんですが、それ以外の人にもおすすめできる内容です。
実は私たちも日常的にインタビューを経験しています。
- 就職活動の面接
- 営業担当が顧客の課題を聞き出す
- 思春期の子から学校での様子を聞き出す
- 会社でのキャリア面談
などなど、インタビューする側になることもされる側になることも沢山あることがわかります。
よって、本書で紹介されているインタビューのテクニックは汎用性が高く、むしろ私たちのようなインタビューに疎い人こそ必要なスキルだと言えます。

作者情報
作者である原正紀氏は株式会社クオリティ・オブ・ライフの代表取締役社長です。
詳細なプロフィールは会社HPに記載されています。
リクルートを経て現在の会社を設立されました。
産学官にまたがる仕事を通じて、多くの経営者や識者との面談を行ってこられたようで、コンサルティング、講演、委員などの経験も豊富です。
優れた企業は日本流(扶桑社)
採用氷河期(日本経済新聞出版社)
5×2の法則(同友館)
などがあります。
インタビューは信頼関係から始まる
インタビューは信頼関係が非常に重要です。
どれだけ会話のテクニックを身につけても、相手から信頼してもらわなければ話を聞き出すことはできないでしょう。
本書では信頼関係を築く上で重要なことを解説しています。
アウトプットの形を事前に知らせておく
インタビューなど、相手から何かを聞きたいと言ってセッティングされた場では、相手にアウトプットの形を事前に知らせておくことが重要です。
特に、銀行や会社役員、官僚などは、個人の発言が組織全体に影響してしまうため、インタビューの中身がどのような目的で使われるのかを非常に気にします。
更に、「どのように使うか?」と聞かれた際には明確に答えないと信用に関わります。
少なくとも、いつ、どういう形で、どんなモノに使うかくらいは説明する必要があります。
事前準備が全て
本書では、当日に失敗しないためのポイントから、濃いインタビューにするため事前にできることまでを網羅しています。
「事前の情報収集」は特に重要で、手間を掛けてでも情報を集めることが相手に対する誠意であり、感謝だと思います。
わざわざ相手の時間をもらっているわけですから、経歴、仕事の実績、最近のオピニオンや出版物などは最低限仕入れておくことは必要です。
仮に相手がそこまで著名な方でない場合は、直接相手に情報提供をお願いするというのが1つの手です。
電話やメールなどで、お願いをすれば大抵は揃えて発送してもらえるでしょう。
時間に余裕があれば、インタビュー対象者の周りの人に話を聞いてみるのも有効かもしれません。
自分がインタビューされる側だとしたら、著名でない自分に対しても情報を集めてから臨んでくれたら嬉しいですよね。
相手のタイプを見分ける観察力を身につけ
事前準備の次は、インタビュー本番です。
「観察力」は「対応力」と「質問力」の土台
インタビューのテクニックのうち、最もコアな部分に当たるのは、「対応力」と「質問力」になります。
この2つのうち特に対応力にとって重要なのは、相手がどんな人なのかを見抜く「観察力」です。
観察力は経験の重ね方によって、向上させられるものです。
1つの方法は、インタビューのたびに「このタイプ」かなと予測して対話を行うことです。
上手くいけば、自分の中での判断軸が身につきますし、上手くいかなければ別のタイプ用の対応に変えていくことで改善していけます。
相手タイプの分類マトリクス
先ほどの相手のタイプを分類しました。

基本的にインタビュー相手は上記の4種類に分けられます。
- 芸術家、作家:インタビュアーが多めに話すのがおすすめ
- 経営者、政治家:のせると、どんどん話してくれるがブレーキは必要
- 技術者、学者:小刻みに質問するとよい
- コンサルタント、評論家:話の流れをあらかじめ伝えておくとスムーズ
相手をおおまかに分類できれば、対応しやすくなり、質問力の向上につながると思います。
ただ、日常的な会話でも言語化していないだけで、相手によって接し方を変えるのが普通でしょう。
つかみ所のない相手には、「内向的か外向的か」、「エモーショナルかロジカルか」を考えるだけでも会話の助けになると思います。
人脈は信頼関係で成り立つ
最後はインタビューの後です。
お礼の連絡などは当然として、以後も継続的な関係を築いていけるかがビジネスマンとして差がつくポイントとなります。
人脈とはお互いに助け合うことができる関係
人脈は、メリットが得られる存在だと思っている人もいるかもしれません。
しかし、本当の人脈とは、困った問いにお互い助け合うことが出来る関係です。
インタビューを受けることは相手にとっても嬉しい話です。
それも滅多に会えない著名人とも会うことができる貴重な機会でもあります。
そういったインタビューは基本的に1回限りなので、その出会いを今後の仕事に活かすべく人脈につないでおきたいところです。
単純に話を聞く情報ソースだけでなく、それが新しい仕事につながる可能性もあります。
人脈を大事にする人ほど仕事ができる
人脈とは信頼の数です。
相手から信頼されていないと、もう一度お話を聞くことも仕事をすることもできないでしょう。
インタビュアーであれ、話を聞ける数と質が評価に直結するかもしれませんが、一般的な人であってもいざと言う時に頼れる人の存在は必要です。
新しい事業の話、業界のトレンド、自分とは別の世界の話はどれも自分をレベルアップさせてくれます。
本書では、マスコミ関係ですら、人脈を大事にする人は少ないと書かれており、他の業界に所属している自分の周りはもっと少ないのだろうと思います。
まとめ
簡単にですが、本書についてまとめました。
最後に本書の内容を振り返ります。
- 本書の中の「インタビュー」は「会話」と言い換えることができる
- インタビューは信頼関係から始まる
- 相手のタイプを見分けること観察力が重要
- 人脈は信頼関係で成り立つ