学びの展開には作法がある 社内ナレッジを書く前に読むべき『良いFAQの書き方』

【作法あり】 社内ナレッジを書く前に 読むべき 『良いFAQの書き方』 一般

みなさん、こんにちは!

私はとあるメーカーでエンジニアをしているのですが、社内に展開されているナレッジを読んだり、自分で書いたりする機会が非常に増えてきました。

ところが、調べていて、「なんでこんなに検索性が悪いんだ…」とか「結局誰が書いた資料をモデルに書いたらいいのかわからない…」といった疑問にぶち当たり、この『良いFAQの書き方』を手に取りました。

朱莉
内容自体は、社外のお客さん向けに展開するFAQに主眼を置いていますが、
FAQや社内ナレッジを書く人にとっても非常にお勧めできる内容だと思ったので、
ブログに書き起こしていきたいと思います!
ここで扱うFAQや社内ナレッジは、経費申請などの業務系の内容ではなく、
専門的なアプリケーションの使い方や技術的な知見など、
技術的な内容に限ります。

何のために文章を書くのか

FAQやナレッジを書く目的

FAQやナレッジを書く前に、まずなぜ文章を書く必要があるのか整理する必要があります。

何事も目的から考えなければ、無駄に時間を浪費して終了してしまいますよね。

簡単にFAQの目的について書かれていることをまとめると以下の通りです。

  • カスタマーサポートのコストを低減する
  • 顧客満足度を向上させる
  • ユーザーの負担を低減する
  • 本書ではコールセンターが例として出されていますが、基本的にお客さんと直接やり取りをするサポーターのストレスは凄まじいものがある(そうです)ため、離職率も高いのだそう。

    特に、一般消費者(企業との契約ではなく)が相手だと、ストレスはやばそうです…

    そのため、FAQサイトの目的は、お客さんのよくある質問に対して、解決策あらかじめ用意して自己解決できる割合を高めることにあります。

    お客さんが自己解決すれば、わざわざコールセンターに電話をかける手間、つながらなくてイライラしたりすることもないですし、カスタマーサポートの仕事量も減らすことができるという一石二鳥どころではない必須のツールと言えます。

    では、社内ナレッジだとどうでしょうか。目的は大きく変わります。

    まあ、最終的に顧客満足度を向上させることにつながりはしますが、直接的ではないので、ここでは別と扱います。

    社内ナレッジの目的は以下の通りです。

    • 情報共有で生産性を向上させる(技術を継承していく)
    • 社内業務の時間の使い方を改善する

    社内ナレッジでは、主たる目的は技術の継承です。

    技術職だと、○○はこの人しか知らない…といった具合に属人的になりがちですし、新しい人が入るたびに、直接教えていては、時間がいくらあっても足りないでしょう。

    1人の退職が部署の危機にならないように、技術は次世代へ継承していく必要があります。それも効率的に。

    (私は一方的に継承されている側ですが…)

    目的を考えた次は、それが達成されたかどうか線引きする必要も出てきます。

    その達成されたか否かを測定する指標を、KPI(Key Performance Indicatorと呼びます。

    FAQやナレッジのKPI

    では、FAQやナレッジのKPIはなんでしょうか。

    KPIは、パフォーマンス評価指標と言い、プロジェクトや施策の効果測定に使う指標だと思ってください。

    KPIを使う場合、必然的に数字を用いる必要が出てきます。

    社内FAQの場合は、残念ながらアクセス数などの情報が集まりにくいですが、本質的には、どちらも一緒だと思います。

    FAQでのKPIは以下の通りです。

    • 回答到達率
    • 問題解決率

    最終的には、FAQでも社内ナレッジでも、問題を解決したい人が、答えを探しています。

    その答えを探す人が、回答に到達して、更に自力で問題を解決できるかどうかがは、良いFAQや社内ナレッジを構築する上で必須の項目でしょう。

    そして、上記はもはやFAQやナレッジに限ったことでもなく、ブログでも一緒ですね。

    記事を開いた人を解決に導けるかどうかが、その記事の価値だと思います。

    回答到達率を高める 検索できないサイト=存在価値はゼロ

    次は、各KPIをいかに達成するかを探っていきます。

    基本的には良くある質問についてFAQやナレッジは書いているはずなので、質問の答えになっていることは大前提です。

    質問の答え、いわゆるFAQそのもののクオリティについては本書にこれでもかと書かれているので、
    詳細は本書を実際に手に取って確認してみてください。

    内容があるという前提に立つと、要は、質問者がその記事にたどり着けば、あとは記事を読んで自己解決してくれるということになります。

    そのため、疑問を抱いている人が、そのFAQやナレッジを検索したどり着けるような設計になっていなければなりません。

    FAQやナレッジの探し方としては、大きく分けて2種類、カテゴリを選択して階層を潜っていくか、サイト内の検索窓に検索ワードを入れるかどちらかでしょうか。

    朱莉
    どちらの検索方法でも、検索者の抱える問題の解決策が書かれたFAQにたどり着けなければいけませんね。

    基本的にはどちらの検索方法もケアする必要があります。

    以下で、それぞれの方法でユーザビリティを確保するための方法について解説します。

    カテゴリの分け方

    カテゴリの分け方は運用の一番最初に設計するものだと思います。

    この辺はブログなどでも同じですね。

    ある程度記事を入れた後にカテゴリを変更しようとすると、非常に煩雑ですし、URLが変わってしまえば、SEO的にも影響が出てきてしまいます。

    技術的な内容を扱うFAQサイトやナレッジであれば、「製品で分ける」か、「分野で分ける」のいずれかになると思います。

    例えばこんな感じ。

    製品で分けるパターン

    • Word
    • PowerPoint
    • Excel

    製品で分けるパターン

    • 数学
    • 物理
    • 化学

    カテゴリを作成する上で重要なのは、統一感と、わかりやすさです。

    統一感は粒度を揃えるともいいますが、これが揃っていないと、せっかく記事を書いても、所属するカテゴリが競合したりします。

    このブログも一部カテゴリを跨いでしまってますが、まあ許容範囲ということで…

    アクセスの少ないものを削除する

    さて、「カテゴリを潜っていく」、「検索ワードを入れる」それぞれの方法である程度記事の絞り込みができた。としましょう。

    ところが、検索結果を見てみると、「Word 変換」で記事が50種類…

    これではどの記事が自分の疑問に答えてくれる記事なのかわからないと思います。

    このように、FAQを構築する上で、検索性を維持するためには、ある程度公開されているものを絞り込む必要があります。

    また、FAQやナレッジは基本的に日々増えていきます。

    製品であればバージョンアップが入れば新機能が入りますし、ナレッジも最近のものの方が需要が高いですし、常に増えていきます。

    増え続けた結果起こるのは、先ほども例に出した、検索性の悪さです。

    「○○エラー」と調べると、似たような記事が大量に出てくるのは良くあることではないでしょうか。

    せっかく検索を書けても、5ページや10ページにわたって記事が出てきてしまうようでは、回答到達率が大きく下がってしまうことは容易に想像できます。

    私の勝手な理論ですが、半年に1アクセスもない記事は削除してしまって問題ないと思います。

    たとえその記事のクオリティが高い場合でも、だれも記事にたどり着いてないようであれば、記事が存在する意味はありません。

    あとは、更新日が何年もたってしまったものは、非公開にすることも有効です。

    とにかくお客さんが検索する際に邪魔にならないように整理する必要があります。

    朱莉
    私のブログでは、移転の際に3か月間アクセスのなかった記事を削除しました。

    問題解決率を高める 今日からできるFAQの書き方

    さて、ようやく多くのFAQやナレッジの森から、自分の疑問を解決してくれそうな記事にたどり着きました。

    おそらくFAQやナレッジを記述する人は、その問題の解決策をわかっていて、”よく読めば”解決するのでしょう。

    それでも問い合わせが来たり、担当者に質問をするのは、記事が分かりにくいことや、読みにくいことが原因の場合が多いです。

    ここでは、記事を読みやすくするための工夫をまとめてみます。

    用語を統一する

    まずは用語の統一です。

    「会員登録」「ユーザー登録」「入会」など同じ意味でも、言葉が違うと読者は混乱してしまいますよね。

    あとは、Webサイトの操作ガイドや、製品の操作ガイドにありがちですが、実際に移っているメニューと書き方が違うのも違和感満載です。

    非常に細かいところですが、こういった些細な積み重ねにより、記事から離脱して、コールセンターへ…というケースを防止するためにも押さえておきたいところです。

    ただ、上記の例で示した、「会員登録」や「ユーザー登録」「入会」というワードはごくごく一般的な用語なので、検索ではヒットするようにしておきたいです。

    キーワードやタグとして残しておく方がおすすめです。

    ひらがなで、「とうろく」や「にゅうかい」なども登録しておいた方がいいですが、
    この辺りはFAQやナレッジサイトの機能としてついていることが多いので、ぜひ調べてみてください。

    また、上記のような単語は、「標準単語表」のようなものを整備しておくこともおすすめです。

    記号や特殊文字を統一する

    あとは、記号や特殊文字の使い方も整備しておくと読みやすくなります。

    記号や特殊文字の使用例

    • ■:記事内の大分類
    • ・:記事内の小分類
    • 【】:製品名
    • ※:文章の補足用
    • ():用語の補足用

    上記はあくまで一例ですが、複数人で1つのサイトを作り上げていく場合、必ず表記ブレが発生してしまいます。

    朱莉
    ルールでがちがちに決めてしまうのも良くないですが、
    基本的な文章の書き方については、統一しておいた方が「公式感」も出ますね。

    読者目線になる