皆さん、こんにちは!
今回は「最新版 大学生のためのレポート・論文術」を読みましたので内容を簡単にまとめようと思います。
本書は、大学生向けに授業課題のレポートや卒業論文、あるいは投稿論文を書くにあたって、知っておくべきことについて書かれています。
フォントや文字サイズから心構えまで、0から丁寧に説明してあるのが印象的です。
大学院1年生の私は、本書を読んで知らないことがあまりにも多く、研究をする前段階にも立っていないことを痛感しました。
結論から言うと、遅くとも卒論に取り組む前には一読すべき本です。
Contents
本書の目次
本書の目次について数行でまとめというか、印象的だった部分を書いていきます。本選びの参考にして頂けたらと思います。
1.レポート・論文のあたりまえの基本
用紙、書式、フォント、余白、章見出し、どのように書くのが正しいのかご存じでしょうか?
2.レポート・論文の基本ルール
注釈、引用文献の書き方についてまとめてあります。
論文を読んでいると、人によって書き方が微妙に違ったりしますが、昔と最近で少し引用の仕方が異なるようです。
3.文献・資料の集め方(テーマを絞る)
論文は他人の書いた論文を参考(引用・参照)にして自分の論を発展させるものです。世の中にある莫大な論文やデータから欲しいものを見つけるためにも、正しい方法で調べる必要があります。これは後程詳しくまとめます。
4.レポート作成の基本
レポート・論文と並んで重要なのが、パワーポイントを用いた発表です。レポートも同じですが、文章的、美術的なセンスは必要ありません。基本に忠実に、見やすくわかりやすいものを作ることが重要です。
卒論発表はTEDトークではありません。
5.卒業論文の執筆
スケジューリング、論文の構成など、当たり前すぎて教えてもらえないことが書かれています。
「良い論文かどうかは、題名と最初の三~五行を読めばわかる」とは言いえて妙です。
6.わかってもらえるレポート・論文を書くために
文章をわかりやすくためには「一文を短くすること」が重要です。これは日本語でも英語でも同じで、一つの文に一つのメッセージが基本です。
もう一つは、「同じコトバ」、「同じ意味のコトバ」を二つ以上使わないことです。
これらを踏まえて、自分の頭で考え、自分のコトバにすることで良い論文になります。
覚えておきたい論文検索の方法
ここからは上で紹介したものをピックアップして掘り下げていきます。
皆さんはどうやって論文(文献)を調べていますか?


大抵は、CiNii ArticlesやGoogle Scholarでキーワードを入れ、検索するのが一般的だと思います。
でもレポート・卒論に使うのは論文だけではありませんよね。
官公庁の出す統計資料や〇〇白書のような公的な文書も引用の対象になります。
これらをまとめて検索しつつ、効率よく件数を絞っていく方法が書かれていたので紹介します。
PDFだけ狙い撃ち、ファイル種指定検索
ネット上に存在する論文や○○白書はほぼ確実にPDF化されたのもになります。検索ボックスに、調べたい単語とスペースを置いた後。「.PDF」と付け加えるだけで文献検索の完成です。

「農業工学」だけで検索した場合だと、Amazonなどが上に出てきてしまいます。
検索ワードも漠然としているため、1000万以上のWebサイトがヒットしています。これでは欲しい文献までたどり着けそうにありません。
「農業工学 .PDF」で検索した場合は、どうでしょうか。検索数も1万を下回っており、大学の学科説明のWebサイトもヒットしていますが、おおむね学術的、公的な文章がヒットしています。
興味ある分野がある場合は、.PDFをつけて検索した方が有益な情報を引き出せそうですね。私はこれまで知りませんでしたので、これで文献検索が大幅にはかどります。
ちなみに「.EXCEL」で検索すればEXCELファイルを持つサイトをヒットさせられます。
学術機関の情報だけ欲しい!ドメイン検索
ドメインには、そのサイトの運営機関を表しています。大学なら、「.ac.jp」、政府機関なら「.go.jp」、企業なら「.co.jp」などドメインを見るだけでどんな機関が運営しているのか理解できます。
この検索も、キーワードの後にスペースを入れ、「.ac.jp」と入れるだけです。

先ほどのPDF検索で1万弱だった検索結果も、大学機関である「.ac.jp」を入れることで5千件ほどになりました。
いずれも基本的なことですが、使っている人は意外と少ないと思います。
現代社会では、情報収集能力が非常に重要ですので、これらの検索方法を駆使して素早くできるようになるといいですね。
卒論のスケジュール
本書に書かれていた卒論のスケジュールの目安を紹介します。
「本書の」と言いましたが、私の研究室でも同じ時期に同じことを言われていたような気がします。
3年生の春休み~4年生の4月
- 研究テーマの決定と、文献収集
私の大学では3年生から研究室に入るので、3年の夏ごろにはテーマが決まっていました。一般的には3年生の夏や、冬頃に研究室に入ると思います。就活や大学院入試を考えると早めにテーマを決めて就活でそのテーマについて話せるくらいに知識を得ておきたいです。
4年生夏休み
- 予備実験、今後の実験計画
本書では就活が前提として書かれてました。就活の人はこれでいいとは思いますが、大学院へ進学する人はにとっては遅いですね。4年生で学会に出る機会もありますし、早めに自分が今後2年の間、研究生活を行えるか判断するためにも早めの行動が必要です。
4年生、秋、冬
- 本実験・卒論執筆
この時期からは、テーマ変更はほぼできないと考えていいです。
どれだけ結果が出そうになくても、しんどくても、もうこのテーマで行くしかありません。
まとめ
本書の内容を簡単にまとめてみました。
もう一度書きますが、全ての大学生が卒論に取り組む前には一読すべき本です。
私は人よりも熱心に卒論に取り組んできたつもりでしたが、知っておくべきことは沢山ありました。
そして先生のリソースを考えても研究室ですべてのことを教えてもらえるわけではありませんので、自分で学ぶ意識が大切です。
すべての大学生が入学と同時に購入し、基礎を身に着けてもらいたいと思います。